夏至を間近に控えて・・

夏、暑い・・


この字面だけでうちの代表も、眉間の皺が戻らなくなる・・そんな季節が再び廻ってきました。


涼しい話を・・・と思いましたが、暑さに拍車をかける、火の話をひとつ・・。


私の実家は農家です。


農薬を使わない畑は、夏になると雑草との戦いで、涼しい朝夕に暑さを逃れて草取りします。


はたから見るより楽しい作業で、無口な表向きの心のうちでは、あれやこれやと賑やかに一人おしゃべりが始まります。


むしったばかりの草の泥を落として、平らに一日置いておくと、日中のカンカン照りで、すっかり水分はどこへやら・・


そのからからに乾いた草と、夕方むしりたての草をサンドして、火を焚きます。


こうすると、草に付いた虫の卵が絶え、肥料になる草木灰もでき、作業中にむらがる蚊もぐんと減る、といいことだらけ。


土の上に直接乾いた草、青草、また乾いた草・・とふんわりサンドして中央で火を付けると、


ゆっくりと時間をかけて燃え上がることなく燃えていく。


紫色に包まれる夕暮れ時、畑のあちらこちらから真っ白い煙がたゆたって空へと昇っていくのを見るのは実に気持ちがいい。


この青草燃やしは意外と難しく、私の腕では5つ山を作っても2つほどしか残らなかったりする。


さすが、長年の技と勘の働く母の山からは、煙が絶えることなく、翌朝までくすぶりの煙が上がっていたりするから、本当にすごい。


習ったり、読んだり、見たりするだけでは身につかない、


当人たちには当たり前過ぎて大した事でもない、口で説明できないような手わざを、少し前の人たちはたくさん持っていたのだと思う。


そんな宝を譲り受ける間もなく、廃れようとしているのがもったいない。


暑い炎天下のした、働かざるを得ない方々、熱中症には十分気を付けて仕事してくださいね。


written by buchi