生まれ変わる伐採木

横須賀市は坂が多く、小道も多く、谷戸もまた多い地域です。

雨が続けば土砂崩れが今にも起きそうな箇所があり、そんな場所にドッテとそそり立つ大木が、

台風の後なんかに傾いだりしたら、途端に代表の電話はよく鳴りはじめます。

来た来た、また伐採!

クレーンも入らないし、今にも危ないから切って欲しい! という高所伐採の依頼。

私としては、はるか下に住宅を臨み、長年ほっとかれた枝が電線の間をあっちこっち行ったりしている木なんかやってほしくない。

でも他で切れないからと回ってきた仕事・・・ 選択肢はない。


消耗しきって帰ってくる代表を見るにつけ、伐採は木との戦いなのだなあと思う。


自分も命がけ。

相手の木も、もちろん命がけ・・・。


そうして切られた木のほとんどは産業廃棄物(!)として、お金を払いただ燃やされていく。

若干、薪用に取っていたり、キノコのほだ木となったり、

有用な木ならばそのまま取っておくこともあるけれど、木というのは本当に大きくて重いのだ。

ことのほか場所を取り、鎮座して動かない。


欲しがる人は稀なので、そんなにたくさんは置いておけないのが実情というところ。


でも、捨てる神あれば拾う神あり。

ご近所に海洋彫刻家で神山豊さんという方がいらっしゃいます。



海の生き物をメインに、小さい作品から見上げるような大きな作品まで木の彫刻で作られます。

チョウチンアンコウにバショウカジキ、クジラにイルカ、人魚・・・



のみ痕残る木肌には優しい色合いの彩色が施され、本当に美しい作品ばかりです。



それらにいくつかの歯車を組み合わせて、クジラやイルカが泳ぐような仕掛けもあり、観覧者が触れて動かせる楽しい作品となっています。


そんな作品に、代表が切った木も使われています。


戸塚で切ったヒノキは、クジラとなってニューヨークまで行きました。


最近では 「UBEビエンナーレ」 の一次審査があり、


29カ国から277点の応募のあった中、18人に選ばれました!


この結果、来年8月末までに4mほどの大きなクジラを創れる権利を得られたそうです。



作品もそうですが、

季節ごとにクワジャムや、オレンジピールのチョコレートがけ、スモークサーモンなどもご馳走になっています。



一事が万事、細部までこだわり抜かれた季節の味のお裾分けも、玄人はだしの逸品ばかり!

そんな神山さんの一ファンとして、時々覗かせてもらっているフェイスブックがこちらです。

最新の展覧会情報や、新しい作品の進捗状況などもぜひ見てみてください。


神山豊さんのfacebook

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ブログ担当:matu